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レインズとは? 仕組み、メリット、登録義務などについて解説

2019.10.17 更新

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不動産業界で日常的に使われるシステム「レインズ」。

「レインズについて詳しく知りたい」

「仕組みやメリット、登録義務など、不動産事業者としての知識をインプットしたい」

このようなご要望に対して、本記事ではレインズについての基礎知識をお伝えします。

本記事のポイント

  • レインズの仕組みがわかる
  • レインズ活用のメリットがわかる
  • レインズへの登録義務や3つの媒介契約についてわかる

 

レインズとは ?

レインズとは、国土交通大臣から指定を受けた、不動産流通機構が運営しているコンピューターネットワークシステムのこと。「Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)」の頭文字をとってレインズ(REINS)と名付けられています。なお、不動産流通機構は不動産業者等により構成され、不動産取引の適正化と円滑化を目的としています。

レインズは、不動産業者のみが登録・利用できる不動産ネットワークで、登録すると全国の不動産売買物件の情報が閲覧可能となります。業者専用の不動産ポータルサイトのようなもので、不動産流通にはかかせないインフラ(基盤)となっています。

また、レインズは全国の地域ごとに分けられており、東日本レインズ、中部レインズ、近畿レインズ、西日本レインズの4つが存在まします。

【参照】レインズとは? | REINS TOWER 国土交通大臣指定 公益財団法人 東日本不動産流通機構

レインズの仕組みとは?

次はレインズの仕組みについて解説していきます。レインズの目的は、不動産業者同士で物件情報のやり取りを行い、物件の売買を円滑にして全国の不動産物件を流動させることです。

レインズの仕組み・流れは以下のようになっています。

  1. 不動産仲介業者は売主から物件売却の依頼を受け、その物件情報をレインズへ登録
  2. レインズに物件登録すると、全国の不動産業者と物件情報が共有される
  3. 物件購入の依頼を受けた不動産会社は、レインズで物件の検索を行い、買主に紹介する

レインズには現在売買可能な物件情報の詳細以外に、過去の取引データも閲覧することが可能です。

レインズ活用のメリット とは?

レインズ活用のメリットは以下の通りです。

  • 物件の早期売買が可能
  • 複数の不動産業者に問合せする手間が省ける
  • 図面を載せることができる

レインズに物件を登録すると全国の不動産業者と情報共有できます。売買相手の対象が全国に広がるので、より早期に物件を売買することが可能です。

そして、複数の不動産業者に問合わせる手間が省けます。レインズを活用すると、全国の物件をパソコンの画面ひとつで閲覧できます。そのため、売買物件の情報を得るために複数の不動産業者に電話で問い合わせる必要がありません。レインズで物件を確認し、取り扱い不動産業者にピンポイントで連絡を取るだけで済みます。

さらに、レインズでは、売主が作成した図面を載せることができます。他の広告媒体では入力できる項目に制限があり、記載したい情報をすべて載せきれない場合があります。レインズでは、より詳しい情報の掲載が可能です。

【疑問解決】レインズに登録されていない 物件もある?

不動産売買取引に対してメリットのあるレインズですが、レインズに登録されていない物件も存在します。それは「一般媒介契約」の物件です。詳しいことは次項で触れますが、レインズでは「専任媒介契約」と「専属専任媒介契約」の物件の登録義務があります。しかし、一般媒介契約の物件は任意です。そのため、自店で売買契約を完結できる一般媒介契約の物件は、レインズに載っていない可能性があります。

レインズ登録と不動産における媒介契約 について

不動産媒介契約には「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」「一般媒介契約」という3つの媒介契約があります。その中で、レインズに登録義務がある物件は「専任媒介契約」と「専属専任媒介契約」です。「一般媒介契約」に関しては「任意」となっています。

専属専任媒介契約

「専属専任媒介契約」とは、不動産仲介業者を1社だけに依頼する契約です。売主は他の不動産業者に仲介を依頼することができない、という縛りがあります。さらに、売主自ら売買相手を見つけてきた場合でも直接売買ができず、仲介業務を依頼した不動産会社を通して売買契約をしなければなりません。売主および買主にとって拘束力が強い媒介契約であるため、契約有効期間は3ヶ月以内となっています。

売主の依頼から5日以内のレインズ登録が義務付けられています。

専任媒介契約

「専任媒介契約」とは、専属専任媒介契約同様に仲介業務を1社の不動産会社だけに依頼する契約です。専属専任媒介契約との違いは、売主自ら売買相手を見つけてきた場合、不動産会社を通さずに直接売買契約ができる点です。専属専任媒介契約ほどではありませんが、専任媒介契約も売主および買主にとって拘束力が強い契約であるため、専属専任媒介契約と同様に、契約有効期間は3ヶ月以内となっています。

売主の依頼から7日以内のレインズ登録が義務付けられています。

一般媒介契約

「一般媒介契約」とは、同時に複数の不動産会社に仲介を依頼できる契約です。売主自ら売買相手を見つけてきた場合でも、不動産会社を通さずに直接売買できます。契約の有効期限については、法令上の規定はありませんが、行政指導に従い3ヶ月以内にされているようです。売主および買主と不動産業者双方への制限が少なく、自由度が高い媒介契約です。

レインズへの登録は任意で、義務はありません。

レインズに登録した物件には「登録証明書」 が発行され、不動産仲介業者はそれを売主に渡す義務があります。登録証明書には売主専用のIDとパスワードが記載されており、レインズの「売却依頼主用物件確認」の画面からログインすると、依頼した物件のみ登録情報を確認できます。

【コラム】囲い込み とは?

囲い込みとは、売主から物件の売却依頼を受けた不動産業者が、物件をレインズに登録したにもかかわらず、他不動産業者からの問合せに対して物件を紹介しない行為のことをいいます。そして自社で売買契約を完結し、仲介手数料を多くもらえる「両手仲介」を狙います。中には、意図的にレインズに登録しない業者もいるようです。

このように意図的に両手仲介を狙うと、物件の円滑な流通を妨げ、さらに売買主の利益を損失させる恐れがあるため、不動産業界では囲い込みが問題視されています。詳しくは以下の記事をご覧ください。

【参考】【不動産事業者の基礎知識】囲い込みとは? 罰則や仲介手数料についても解説 

 

レインズについてのまとめ

いかがでしたか? 本記事では、以下のようなポイントでレインズについてお伝えしてきました。

  • レインズの仕組みがわかる
  • レインズ活用のメリットがわかる
  • レインズへの登録義務や3つの媒介契約についてわかる

本メディアでは、今後もこのような不動産の基礎知識や最新の不動産テックの情報をお届けして、不動産事業者の皆様をサポートをしていきます。

 

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