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IT重説のメリットデメリットについて解説【不動産事業者向け/2019年12月最新】

2020.01.09 更新

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「IT重説のメリット、デメリットについて知りたい」

本記事はそんな方のための記事です。IT重説の運用が開始されて2年。IT重説に取り組む不動産業者や対応可能な物件が徐々に増えています。メリットも多く聞かれるIT重説。しかし、これまでずっと対面で実施してきた重要事項説明を突然インターネット上で、となると漠然と不安を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで、本記事ではIT重説のメリット、デメリットについてお伝えしていきます。

【この記事のポイント】

  • IT重説の3つのメリットがわかる
  • IT重説の3つのデメリットがわかる
  • IT重説の方法、手順がわかる

IT重説とは?

これまで賃貸借契約において、「借主への重要事項説明(以下、重説)」は宅地建物取引士が対面で行うことが宅地建物取引業法第35条で義務として定められていました。しかし、2017年10月よりテレビ会議システムなどを活用して非対面で実施することが可能となったのがIT重説です。

IT重説はパソコンやスマートフォン、タブレット等の端末画像を活用して実施します。端末画像を通して対面と同様に説明し、相手方からの質問を受けることができるIT環境が必要となります。また、国土交通省が定めている下記の5つの遵守事項に気をつけて実施しなくてはなりません。

  1. お客様と不動産業者側の担当者、双方向でやりとりできるIT環境を整備すること
  2. お客様に重要事項説明書を事前に送付すること
  3. 説明開始前にお客様の重要事項説明書等の準備と映像および音声の状況について、説明できる状態であるか、IT環境を確認すること
  4. 不動産業者側の担当者は宅地建物取引士証を提示、お客様の確認を得ること
  5. IT環境に不具合があれば中断すること

 

【参照】国土交通省 賃貸取引に係るITを活用した重要事項説明 実施マニュアル

 

IT重説のメリット・デメリットとは?

メリット

1. 時間コストと費用コストを抑えることができる

お客様側としては、転勤や進学などに際した遠方からのお部屋探しの場合、重説のためだけにご来店せずに済むため交通費や移動時間の負担が少なくて済むという大きなメリットがあります。担当者としても、ご来店のお客様へのお茶出しなどの対応が不要になり負荷削減となります。

不動産業者側としても、IT重説を専門とする部署を設け営業担当と分業することで、業務効率化を実現することが出来ます。特に繁忙期には大きな成果を上げている例が多いようです。また、事前に契約書を送付するため、お客様が契約書に目を通しておくことができるのもメリットの一つです。あらかじめ不明点を把握していれば質疑応答がスムーズに進み、その場の時間短縮になります。それだけでなく、契約内容の誤解を防ぐことができれば、後でクレームが発生して時間をとられる可能性も下げることができるかもしれません。

2. 日程調整がしやすい

お客様が来店しなくても実施できるため、日程調整の幅が広がります。仕事で忙しい方とはなかなか予定が合わず、契約までに時間がかかってしまう、などのご経験があるのではないでしょうか。日程調整がスムーズにできることは、とくに繁忙期には大きなメリットとなります。

また事例としては少なくなりますが、台風や大雪などの天候不良や交通障害、お客様が怪我や病気で動けなくなったなどの不測の事態で、お客様が外出困難になったとしてもIT重説であれば対応することができます。

3. お客様へ伝えた内容、担当者の対応を残すことができる 

IT重説での録音データを残しておけば、入居後のお客様とトラブルが起きたとき「言った言わない」「聞いた聞いていない」といった事態を避けることができます。事業者側はどのような説明をしていたか、内容を証明することが可能です。また、社員の重説の記録を分析することで、顧客対応レベルのベースアップに繋げるためのチェクツールとして活用することも考えられます。

 デメリット

1. 環境整備が必要である

IT重説を実施するためには、まず基本の環境整備が必要です。スカイプや無料ビデオチャットアプリなどもありますが、音声や画像品質、録音機能、セキュリティ上の問題に不安がないとはいえません。したがって、IT重説専用の有料サービスを検討する必要があります。

有料サービスはそれぞれ特色があるので、必要に合わせて選ぶことが可能です。また、お客様にも同様にITツールを使っていただくことになるため、使い慣れていないお客様の場合、デメリットとなる可能性があります。ただ、お客様側はスマートフォンが普及しており、アプリケーションのインストールもそれほど難しくないので、簡単なマニュアルを作成してお渡しするなどの対策をすることができるでしょう。

2. 手軽ゆえに軽視されることも

対面ではなく、お客様側がご自宅などでリラックスして重説を受けられるということで、大事な部分を聞き流されてしまうこともあるかもしれません。また、重説が対面でなくなったことにより、内覧から契約まですべて遠隔操作で済ませることもできるようになります。すべてインターネット上で済ませたお客様の場合、実際に入居したあとで「こんなはずじゃなかった。」「インターネットでの説明と違った」などのクレームが発生する可能性にも注意が必要です。

3. 通信障害や機器の故障が起きることがある

なんらかの理由で通信環境が悪くなってしまった場合や、機器が故障してしまった場合は、国土交通省が定めている遵守事項にもあるように、IT環境に不具合があった場合は重説を中断させなければなりません。その場合は、環境がよくなってから説明を再開しましょう。

こういった場合は、お客様側は中断された部分からITではなく対面での説明への切り替えを希望することができますが、改めて実施するための日程調整が二度手間になってしまいます。あらかじめ予備日を設定するなどの対策を立てておくと安心です。

 IT重説の方法、手順とは?

ステップ1

不動産業者は、お客様のIT環境などを確認しましょう。必要であればITツールをインストールしていただくなどの事前準備を行い、実施日時を決定します。

ステップ2

重要事項説明書など書類一式を契約者に送付しましょう。

ステップ3

IT重説を行います。通信が開始されたら音声や映像などの乱れがないか、お互いに確認してください。重要事項説明を開始する前に、必ず宅地建物取引士証を提示してお客様に確認していただき、またお客様も契約者本人であるかを確認します。説明中は随時、質疑応答ができるようにしましょう。

ステップ4

お客様に重要事項説明書などの書類に記名、捺印していただき、返送していただきます。

これでIT重説は終了です。

注意点としては、機器の使い方はもちろん、対面でないと説明するスピードが速くなってしまい、お客様が聞き取りにくいと感じてしまうこともあるようです。店舗としてIT重説を取り入れる前に、社員への十分な研修も必要といえるでしょう。

 

IT重説のまとめ

本記事では以下のようなポイントでお伝えしてきました。

  • IT重説とは?
  • IT重説のメリット、デメリット
  • IT重説の方法

スマートフォンなどのIT機器の普及により、若い世代はもちろん、ご年配のお客様でも、ITツールを使うことに抵抗がない時代になっています。とくに遠方のお客様、多忙なお客様は「IT重説に対応しているかどうか」を基準のひとつにしてお部屋選びをはじめる可能性も高まっていくと予測されます。IT重説導入は、集客力向上のチャンスともいえるかもしれません。

本メディアでは、今後もこのような不動産の基礎知識や最新の不動産テックの情報をお届けして、不動産事業者のサポートをしていきます。

 

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