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Realtor.comとは?【アメリカ不動産テック紹介】

2020.02.27 更新

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Realtor.comはアメリカの不動産検索情報サイトです。このサイトのルーツは全米リアルター(不動産仲介業者)協会。そのため不動産売買を検討している方と、リアルター(不動産仲介業者)を結びつけるWEBサービスといえます。

日本でいう「SUUMO」「at home」「HOME'S」のアメリカ版とお伝えしたほうがイメージいただきやすいかもしれません。

Realtor.comはこれまで広告営業モデル型で展開してきましたが、2018年、成約課金型のサービスもスタート。今後さらなる発展が予想され、現在もっとも注目が集まるアメリカ不動産テックサービスの1つといえます。

本記事では、そんなRealtor.comについてご紹介します。

本記事のポイント

  1. アメリカ不動産テックRealtor.comについてよくわかる
  2. Realtor.comの3つの特徴を実際の画面を見ながらお届け
  3. 月間100万人のユーザーが利用するRealtor.com Internationalについても解説

 

Realtor.comとは?

https://www.realtor.com/

Realtor.comは、全米リアルター協会が運営する不動産情報検索サイトです。アメリカでは不動産仲介業を「リアルター」とよびます。アメリカで活動するリアルターのほとんどが、歩合制の個人事業主です。

こうした個人事業主を統括する「全米リアルター協会」が主体となり発足したのが本サイトです。

全米リアルター協会は1908年に米国で設立されました。世界最大級の業界組織として、現在では世界60カ国以上、80以上の不動産関連団体と連携しています。

後述する「Realtor.com International」の運営においては、アメリカ国内にとどまらず、世界中の物件を掲載。こちらは世界最大級の不動産情報仲介サイトといえます。

Realtor.comは、これまでは「広告収入モデル型」で運営されていました。しかし2018年9年、成果報酬体系で運営する会社Opcityを買収。成果に応じて費用が発生するため、仲介業者にとってはより使いやすいサービスになりました。

また先行する「Zillow」等の不動産テックサービスに比べ、ユーザビリティが高いと思える点がいくつもあります。そのため今後、さらに伸びていく不動産テックといえるでしょう。

不動産業にかかわるビジネスマンは要チェックです。この後、詳しくRealtor.com の特徴に触れていきます。

 

Realtor.comの3つの特徴

  1. 都市ごとの価格感が端的に把握可能
  2. 住環境のイメージが付きやすい
  3. 支払可能金額までわかりやすくサポート

都市ごとの価格感が端的に把握可能

「欲しい物件が、まだ決まっているわけでない」
「自分に合いそうな物件を広く探してみたい」

そんな方にRealtor.comは最適な不動産テックサービスといえます。たとえばMAP上で、「Market」というボタンをクリックすると、エリアの物件価格相場観が一目でわかります。「価格感を都市ごとに比べて見たい」という方にはピッタリの機能です。

こちらは広域での表示です。

こうした機能は、広く購入場所を検討している際に有効な機能といえるでしょう。ほかのポータルサイトでは、「希望購入条件」から絞りこむ機能が中心となっているため、購買前の段階の方は迷ってしまうかもしれません。

その点Realtor.comでは、都市ごとの相場観を「直感的」に比較しながら徐々に検討を絞ることが可能です。

また、その地域で出ている物件情報一覧が端的に得られるのも嬉しいポイント。街の名前を入れるだけで、「差押え物件」「値下げ中物件」などの情報が一覧で出てきます。

お得感の高い「差押え物件」も詳細が即閲覧可能です。「とりあえずお得物件をいろいろ見てみたい」という方にもとても使いやすいサイトといえるでしょう。下記画像は表示の一例です。

もちろん、内外観の写真・ストリートビューとの連携・物件詳細情報等、他の不動産テックで搭載している点は、Realtor.comも充実。関心度の高い物件に関しては、詳しく条件を確認して即座に仲介業者に連絡が可能です。

上記は物件紹介ページの一例です。物件を気に入ればすぐにメールを送ることもできます。物件ごとに複数の仲介業者(リアルター)が登録されているため、即座にコンタクト可能です。

住環境のイメージがつきやすい

MAP検索の活用によって、事前に「住環境」もリアルにイメージできます。交通機関アクセスはもちろん、犯罪発生数・自転車レーン・渋滞発生ポイント等もわかりやすく表示可能。

「住居」を真剣に探そうとしている人にとっては大変ありがたいサービスといえるでしょう。下記は、犯罪の発生状況を物件表示とともにプロットした画面の一例です。

子育て世代の夫婦など、新居選びにこのような情報を重視する方も多数いることでしょう。これらの条件を価格同様、都市ごとにカラーで比較することもできます。

「家庭環境ありき」で物件を広いエリアから探す場合にもこの機能は使えるはず。「文化の違い」はあれど、日本のテックサービスも参考にできる点があるのではないでしょうか。

また、コーヒーショップ・薬局・ガソリンスタンドなどのより生活に根ざした情報サービスが表示される機能もあります。下記は薬局を表示したマップです。

欲しい物件をプロットしながら、並行してMAP上にて比較できる機能がついています。

他の不動産テックサービスでも、MAPと連動した機能はあります。しかしここまで、細かい情報連携はしていないようです。まさにRealtor.comは「住居選びのプロ集団」が作り上げた不動産テックといえるでしょう。

支払可能金額までわかりやすくサポート

Realtor.comでは、「支払可能金額をシミュレーション」できるサービスがついています。物件ごとの支払想定はもちろん、「そもそも自分がいくら払えるのか」まで年収等の前情報から簡単に把握できるのです。

こうしたサービスは投資初心者、住宅購入ビギナーにも便利な機能といえるでしょう。

現在様々な不動産テックサービスが覇権を争っているアメリカ。その中でも、グングン力をつけているRealtor.comから目が離せなくなっています。今後もRealtor.comの動向は要チェックです。

 

Realtor.com Internationalとは?

https://www.realtor.com/international/

「Realtor.com International」とは、Realtor.comのインターナショナルバージョンです。本サイトは全米リアルター協会の「世界規模のネットワーク」を活かし、あらゆる物件の閲覧を可能にしました。

扱う情報量は世界最大級。ユニーク数で月間100万人のユーザーが利用しするモンスターサイトともいえます。日本国内では、HOME'Sが一般社団法人日米不動産協力機構(JARECO)と提携したため、日本の物件も多数閲覧が可能です。

下記は海外物件を表示した一例です。

扱う情報はなんと、世界中で46か国、410万件。11か国の各国語翻訳および単位・通貨の変換機能もついています。

海外からの日本の不動産消費は年々高まりを見せています。不動産業において、2014年に流入した資本は、約1兆1800億円と言われています。こうした事実からも、海外の不動産テックへの情報感度を高めておくべき といえるでしょう。

 

【まとめ】Realtor.comについて

本記事ではRealtor.comについて、詳しく紹介してきました。

Realtor.comについて、要点をまとめます。

  • Realtor.comは、アメリカの不動産情報プラットフォーム
  • 不動産仲介業界がルーツで、今後さらに発展していく兆しあり

そして、これを支える不動産テックとして以下の特徴があります。

  1. 都市ごとの価格感が端的に把握可能
  2. 住環境のイメージが付きやすい
  3. 支払可能金額までわかりやすくサポート

これらの不動産テックを駆使した結果として、以下のようなメリットが実現します。

  1. 購入物件がイメージできていなくとも理想の物件に出会える
  2. 自分の支払い余力にあった物件イメージをもちやすい
  3. 世界中から自分にあった物件を探すこともできる

今後日本だけのサービスではなく、世界中で伸びている不動産テックに目を向けることも求められていくのではないでしょうか。

本メディアでは、今後も最新の不動産テックの情報などをお届けして、不動産事業者のサポートをしていきます。

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