「不動産テックウィーク2020(The Retech Week2020)」5日目
2020年6月15日(月)から始まった、不動産テックウィーク2020(The Retech Week)も5日目を終えました。19日(金)は「アフターコロナの賃貸仲介とDX」をテーマに、講演とパネルディスカッションが行われました。
アフターコロナの賃貸仲介とDXでは、アフターコロナ後の賃貸仲介がどういった変化を起こしていくか?またその変化に対してDX(デジタルトランスフォーメーション)がどういった形で参入していくか?を説明しました。4日目の18日(木)のウェビナーレポートに続き、今回も19日(金)のレポートをお届けします。
今回も19日(金)のウェビナーレポートがThe Retech Weekの参加や不動産テック協会のご加入の検討にお役に立てたらと思います。
また、「The Retech Week」のセミナー資料の閲覧は不動産テック協会に加入されている会社様のみとなっておりますので、ITの導入をご検討されている会社様は、この機会に是非ご入会いただけると不動産テックの情報が沢山手に入ります。
〈イベントのお申込みはコチラ〉
https://retech.doorkeeper.jp/events/106917
5日目イベント詳細
下記5名が登壇し「アフターコロナの賃貸仲介とDX」をテーマにパネルディスカッションが行われました。
- 高柳 裕司氏(一般社団法人日本賃貸仲介協会 理事)
- 田村 穂氏(ハウスコム株式会社 代表取締役社長 執行役員)
- 江上 琢氏(株式会社タウンハウジング 取締役 部長 タウングループ 広報室 室長)
- 鈴木 誠氏(誠不動産株式会社 代表取締役)
- 池田 達矢氏(株式会社S-FIT 店舗事業部 部長)
Pick up
賃貸仲介において新型コロナの影響
- 昨対比で反響、来店、成約を見ると全体的に落ち込んでいる。特に4月は反響も来店も成約も途中で終わってしまうケースが非常に多かった。緊急事態宣言が空けてからは徐々に戻ってきている状態。法人営業も例年同様だったが、6月に入り戻ってきた。各社の対応で共通しているのは、オンライン対応化。
- オンライン内見だけで足りない点は、部屋の写真や動画などを後日お送りするようにして、情報が足りない点は補足するようにしていた。非対面によりコストは増えてしまった。現状は非対面営業は断っている。
オンライン化した際のユーザーの反応はどうだったか?
- ユーザーの動向としては、実際の内見については来店して部屋を実際に見て決めたい!という方が多くフェーズとユーザーの動向に合わせて自動化する事が重要。
- オンラインのみで行っていると話した際に、リアルでの内見が始まるまで待ちますと言われるユーザーも居たぐらい。
- オンライン内見を促進可させる為に、ipadを配布したケースもあったが、現状活用されないユーザーも多く、オンライン化に慣れていない印象。地道なナーチャリングが必要。内見以外の契約については電子化は受け入れ傾向にあり、IT重説も浸透していると感じている。
- 部屋の「雰囲気・ニオイ・水道周り・近隣の騒音」など生々しい部分は、オンラインで分からない。ユーザーから非対面を求められても、1度は部屋に足を運んで貰ってから決めて欲しい。
- オンラインはリアルの代替ではない。不動産会社、ユーザー共に状況に応じて活用する事が大事。直接来店して自身の目で確かめた方が良い事もある中で、なんでもオンライン化してしまう事で「ギャップ」や「オンラインで説明をしないといけない事にとる時間・工数のコスト増」など良くないケースもある。
- オンラインの障壁として、オーナー・管理会社への「どういった方が入居してくるのか?」説明しにくい部分がある。オーナー・管理会社への責任を果たすといった意味では、誰でも入居させて良いわけがなく、不動産会社としても1度は会っておきたい。
テレワークによる反響の量と質に変化はあったか?
- マーケットとしては緊急事態宣言解除後の「量」は増えているが「質」は落ちている。テレワークによる住み替えが影響しているとは感じていないが、これから増えてくるのでは無いか?
- テレワークに移行する中で、都内ではなく郊外に移り住む人々も出てくる。テレワークが浸透する中で、1日中自宅に居ないといけない状況になり、部屋の間取りに対する拘りを持つ人も一定数出てくる。
管理会社のオンライン化について
- オンラインで申し込みが出来るようになり、ユーザーや管理会社の動きが活発化した事は間違いないが、ハードルの低さから「気軽に申し込みが出来る状態」が蔓延しており、実際の成約率は下がっている。
不動産業界のニューノーマルとDX化
- 情報を蓄積した事による各工程の業務効率化・提案精度の向上・提案力の均一化が期待される。
- アナログな不動産業界において、属人化している部分を無くし標準化していく事が期待はされるが、ユーザーとの対話が求められる不動産業界においては、誰もが同じような接客をする事に、進めたくない事情もあるのではないか。
- DX化がどれだけ進み、どれだけ使い勝手が良くても「認知」がされないと意味がない。認知がされない事には、不動産会社がどれだけユーザーに言っても、使って貰えない。不動産テック側から告知を積極的にして欲しい。
- メディアやテックが発信しているDX化が「難しいサービス」として捉えられている印象がある。あくまで手段として、誰もが活用出来るようなサービスとして認知をさせないといけない。ユーザーだけでなく賃貸の営業マンにとっても、自分のやり方を優先しながら1つの手段として扱って貰うぐらいの広告をしないといけないのではないか。
- 大前提、DX化以前に「不動産業界が提供している情報」が雑過ぎる。手法よりも中身の問題で、どれだけ部屋探しが便利になっても最も重要な「ユーザーにとって最適な部屋を判断する為の情報」が雑なのが問題ではないか。
- DX化がどれだけ進んでも、人々の衣食住の基盤でもある「住」を担っている会社として、手段だけを見るのではなく、ユーザー視点を忘れずに居たい。
参加者のからの質問
- 19日(金)のセミナーでも多くの質問が寄せられましたので、質問の一部抜粋して紹介します。
- リアルよりオンラインで接客した時の方が契約率が下がるかと思います。下がらないようにどのような工夫がありうるのでしょうか。成功事例、失敗事例など伺いたいです。
緊急事態宣言明けは4.5月に部屋探しが出来なかったお客様が一気に増えているイメージですが6月の売上は前年比より伸びそうですか? - 外観、環境、共用部を数値化したデータがあればだめですかね。食べログ信仰は部屋に当てはまらないですかね。
- お客様が来店したいと仰るのは、おもてなしを求める日本人独特の感性によるものなのでしょうか?それとも仲介事業者が説明責任を果たし切れない事でお客様が色々と自分の目で確かめたいからなのか、お客様のリテラシーが低いからなのか、どれなんでしょうか?
究極、信頼できるAIから勧められた物件に住みたいってユーザーを最速で対応できる仲会社が求められるってことでしょうか。 - 売上成果がオンライン内見前後でほとんど変わらない店舗/営業マンがいらっしゃる場合、どのような接客をしている等、特徴はありますか?
このように参加者から多くの質問が寄せられております。ここでは紹介しきれない数の質問が寄せられており、「The Retech Week2020」の質疑応答の時間も盛り上がりを見せております。
質問の回答が気になる方は、ぜひセミナーへご参加ください!
〈イベントお申込みはコチラ〉
https://retech.doorkeeper.jp/events/106917
今後のイベントスケジュール
- 6月22日(月)PropTech japan連携コンテンツ
- 6月23日(火)日管協会連携コンテンツ
- 6月24日(水)DTA連携コンテンツ
- 6月25日(木)不動産金融部会コンテンツ
- 6月26日(金)Property Access連携コンテンツ
- 6月27日(土)The Retech Week 2020総括パネルディスカッション
※6月27日(土)は18時からの開催となります。
不動産テック協会会員様限定の特典としてThe Retech Week2020のセミナー動画を後日閲覧する事ができます。
〈不動産テック協会入会を希望の方はコチラ〉
https://retechjapan.org/
サービシンクは7/2(木)17時〜18時30分に株式会社いい生活様と共同Webセミナーを開催します。「コロナ時代における物件探しから、入居後までのコミュニケーション術」をテーマに、物件探しから入居後までのコミュニケーションツールの活用方法について講演します。
- サービシンクは不動産特化のチャットアプリ「アトリク」
- いい生活様は入居者と管理会社のコミュニケーションに特化したアプリ
「pocketpost」
紹介します。
〈お申込みはコチラ〉
https://servithink.doorkeeper.jp/events/107781
今後の開催内容
6月22日(月)は「国内外スタートアップ動向から紐解くPropTech(不動産テック)のトレンド」をテーマに19時から開催します。
〈イベントお申込みはコチラ〉
https://retech.doorkeeper.jp/events/106917