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不動産テックウィーク2020(The Retech Week 2020)8日目レポート

2020.06.23 更新

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2020615()から始まった、不動産テックウィーク2020(The Retech Week)8日目を終えました。21()は「不動産業界に置けるテレワークのあり方」と題し、株式会社アイドマ・ホールディングス取締役/株式会社meet in 取締役の三浦和広氏と株式会社ZUUの岩井将太郎氏が登壇し、講演とパネルディスカッションが行われました。

622()は「国内外スタートアップ動向から紐解くPropTech(不動産テック)のトレンド」をテーマに講演が行われました。
デジタルデータキャピタルの佐藤大悟氏が登壇し、デジタルベースキャピタル、PropTech JAPANの会社紹介を行い、国内外のPropTechの事例を紹介しました。

今回のウェビナーをレポートがThe Retech Weekの参加や不動産テック協会ご加入の検討にお役立てられたらと思います。

また、「Retech Week」のセミナー資料の閲覧は不動産テック協会に加入されている会社様のみとなっておりますので、ITの導入をご検討されている会社様は、この機会に是非ご入会いただけると不動産テックの情報が沢山手に入ります。

〈The Retech Week参加のお申込みはコチラ〉
https://retech.doorkeeper.jp/events/106917

 

8日目イベント詳細

6/22()のセミナーでは株式会社デジタルベースキャピタルの佐藤大悟氏が登壇し、「国内外スタートアップ動向から紐解くPropTech(不動産テック)のトレンド」をテーマに講演がありました。アメリカを始めとした海外のスタートアップ企業と日本国内のスタートアップの事例の紹介がありました。

 

Pick up

デジタルベースキャピタルの取り組み紹介

  • デジタルデータキャピタルのミッションは産業を作る。規制産業のデジタルトランスフォーメーション・オープンイノベーションを通じて人々の暮らしを豊かにする。
  • 事業内容はベンチャーキャピタル事業、インキュベーションコンサルティング事業、コミュニティ事業がある。PrppTech JAPANはコミュニティ事業に属している。
  • 日本最大のPropTechスタートアップコミュニティPrppTech JAPANを運営。2017年に設立し、現在では1,400名以上が参加するコミュニティに成長。
  • 海外とのコミュニティとも連携をとっている。 

PropTechの概要とトレンド

  • PropTechとはFintechの不動産版の造語であり、不動産を含む財産全般の取り組みを指す新しい言葉
  • PropTechの再定義:個人・法人向け不動産関連サービス
  • PropTechの効率化:ITを活用した不動産事業者向けのサービス
  • PropTech MAKETは不動産のPropTechを軸にして、ConTech(建設テック)Fintech、シェアリングエコノミーと連携する巨大市場。
  • 不動産業界は、業界全体でIT投資や電子化が遅れている。DXによる効率化、事業変革の潜在的な機会が期待できる。
  • PropTechに含まれるReal Estate Techのみでも全世界で約2.7兆円が投資されている。
  • 米国PropTech特化型VC最大手のFifth Wall(アメリカ・ロサンゼルス)1号ファンドで500億円程度の資産運用を行う。投資地域もヨーロッパ、アジアなど幅広い。
  • MetaProp NYC(アメリカ・ニューヨーク)はテック系のスタートアップ企業への投資を通じて、不動産業界の成長を促すことがテーマ。
  • Cemex Ventures(スペイン・マドリード)テック系スタートアップを通じて建設業界の変革を促進することをテーマに活動している。
  • JLL Spark(アメリカ・サンフランシスコ)はテック系のスタートアップ企業への投資を通じて、CRE(商業不動産)のデジタルトランスフォーメーションを促進する。
  • A/O Proptech(イギリス・ロンドン)革新的なテクノロジーをもつテック系のスタートアップ企業への投資を通じ、不動産業界の変革を促進する。
  • ローカルかつ規制産業のPropTechは、米国などの海外との差がほとんどない状態で発展している。
  • 3つのフェーズがあり、1つ目はオンライン化。不動産、物件情報がインターネット上でやり取りできるようになる。
  • 2つ目のフェーズはプラットフォーム化。シェアリングエコノミーを中心としてマッチングサービスが台頭。
  • 3つ目のフェーズはリアルへの浸透。資産、在庫をもつ実需、実取引への参入
  • PropTechのサービス分類。ITを活用して不動産関連サービスを提供する、ITツールを不動産関連会社に提供するの2つに分かれる。
  • iBuyerとは不動産の買取再販を行うサービスであり、不動産を早期の現金化や売却したいユーザー層に対してサービスを提供している。日本では株式会社すむたす、アメリカでは、OpenDoor Labsがこのサービスを展開している。
  • iBuyerのサービスを展開している株式会社すむたすは不動産オーナーに対して、AI等を活用して短期で現金買取を行い、取引プロセスそのものを短縮している。
  • オンライン賃貸サービスとは、自社で物件を管理し、個人に貸し出すサービスである。物件検索や契約がオンラインで完結するのが特徴で、代表的な企業はインドのOYO LIFE、中国のZiroomがオンライン賃貸サービスを展開している。
  • 中国の不動産賃貸プラットフォームZiroomはAラウンドで約692億円の資金調達に成功した企業。ウォーバーク・ピンカス、セコイア・キャピタル・チャイナ、テンセントもラウンドに参加。
  • Ziroomはオンライン上で物件を検索することができるサイトを運営。オンライン上で物件を検索することができる。ルームシェアであれば、現時点の同居人についても確認することができる。

PropTechにおけるサービス・企業事例(国内)

  • 株式会社スムーズは不動産賃貸契約にまつわる初期費用分割払いサービスを行なっている。引越しなどの敷金礼金が高くて払えない人を想定顧客としている。LINEから簡単に申し込みが可能。スムーズの利用者は初期費用の分割に際する手数料を徴収されない。
  • GA technologieshは不動産テック総合ブランドサービス。所有する物件を販売したいと考えている個人、簡易的に不動産投資を行いたいと思っている個人など、個人売買にフォーカスしている。
  • 株式会社estieは商業不動産マーケットプラットフォームを運営している企業。オフィス探しをしている企業、顧客を獲得した大手不動産を青手に、簡単に不動産を探したい、物件探しに必要な事務所りを短縮し、じっくり検討したい。90%以上のオフィス物件の取り扱いをしている。
  • イタンジ株式会社は不動産管理会社、仲介会社向けSaasプラットフォーム。nomad cloudという不動産仲介会社の営業業務をサポートする顧客管理(CRM)、業務改善クラウドシステムの提供を行なっている。
  • 物件会議株式会社は物件探しのBtoB情報交換プラットフォームを運営している。

PropTechにおけるサービス・企業事例(ブロックチェーン関連)

  • ADREAggregate Data Ledger for Real Estate)。各社がもつ物件関連情報を集約することで、情報の正確性やリアルタイム性の向上を目指し、既存業務の効率化や、新たなサービス創出を行う基盤を目指す。
  • 企業間情報連携推進コンソーシアム。様々な企業の情報の連携を促進するプラットフォーム。東京ガス株式会社、関西電力株式会社など18社が参画し、国内外の関係省庁や関係団体との連携及び意見・情報交換を行なっている。

AfterコロナとWithコロナのPropTech

  • 変化には3種類あり、①価値観の変化②ルール・規制の変化③働き方の変化がある。
  • 価値観の変化のキーワードは「CO-living」「デジタルノマド」「リノベーション」。ポイントは個人の価値観の変化により、住宅の賃貸、売買の在り方が変化していくことがある。
  • ルール・規制の変化のキーワードは「IT重説(国交省)」と「金融仲介法制(金融庁)」。不動産賃貸、売買取引のオンライン化が加速がポイント。
  • 働き方の変化のキーワードは「CRE tech」。オフィス、店舗取引、内装空間の最適化・管理領域のサービスが台頭。環境配慮、持続可能性を考慮した不動産管理におけるデータ収集。競合があまりいない印象。

 

参加者のからの質問

22()のセミナーでも多くの質問が寄せられましたので、質問の一部抜粋して紹介します。

  • 不動産取引のオンライン化は今後進んでいくのでしょうか?
  • 非対面でのサービスを提供しているスタートアップ企業はどのような企業があるか?
  • コロナによってProptechスタートアップの顔ぶれが変わるのでしょうか?
  • ブロックチェーンはプレスリリースだけで実際のサービスに繋がっていない印象があるのですが、具体的にブロックチェーンがプロップテックで活用されている事例があれば教えてください。
  • 非対面の取引は法律上可能なのでしょうか。
  • ADREは、情報を出すのを不動産業界は渋りませんか?業界各社の反応は?
  • Co-living(ワークスペースのあるシェアハウス)はコロナでネガティブなのかと思いましたが、キーワードで取り上げたのはどうしてですか。

このように参加者から多くの質問が寄せられております。ここでは紹介しきれない数の質問が寄せられており、「Retech Week」の質疑応答の時間も盛り上がりを見せております。
質問の回答が気になる方は、ぜひセミナーへご参加ください!

〈The Retech Week参加のお申込みはコチラ〉
https://retech.doorkeeper.jp/events/106917

 

今後のイベントスケジュール

  • 623()日管協会連携コンテンツ
  • 624()DTA連携コンテンツ
  • 625()不動産金融部会コンテンツ
  • 626()Property Access連携コンテンツ
  • 627()The Retech Week 2020総括パネルディスカッション*

*627()18時からの開催となります。

不動産テック協会会員様限定の特典としてRetech Week2020のセミナー動画を後日閲覧することができます。

〈不動産テック協会入会を希望の方はコチラ〉
https://retechjapan.org/

 サービシンクは7/2()17時~1830分に株式会社いい生活様と共同Webセミナーを開催します。「コロナ時代における物件探しから、入居後までのコミュニケーション術」をテーマに、物件探しから入居後までのコミュニケーションツールの活用方法について講演します。

  • サービシンクは不動産業界特化のチャットアプリ「アトリク
  • いい生活様は入居者と管理会社をコミュニケーションに特化したアプリ
    pocketpost

のサービス紹介を行います。

 〈7/2(木)Webセミナーのお申し込みはコチラ〉
https://servithink.doorkeeper.jp/events/107781

 

23()開催の内容

623()は「今後の賃貸不動産業界とデジタルトランスフォーメーション(DX」をテーマに19時から開催します。

〈The Retech Week参加のお申込みはコチラ〉
https://retech.doorkeeper.jp/events/106917

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