Blog
不動産テック・ITと、不動産仲介の仕事を便利に楽しくする情報

不動産テックウィーク2020(The Retech Week 2020)3日目レポート

2020.06.18 更新

  • Facebook
  • Twitter

2020615()から始まった、不動産テックウィーク2020(The Retech Week)3日目を終えました。16()は「不動産業界のデータ活用とオンライン化の現状」をテーマに、講演とパネルディスカッションが行われました。
第一部の不動産業界のデータ活用では、日本の不動産市場の透明性や変遷を紹介し、今後の不動産データ活用は行政主導から民間主導に変えることへの必要性を説明しました。
第二部の取引のオンライン化の現状と未来では、オンライン化の現状を賃貸と売買の領域に分けて、それぞれの課題や改善点について講演しました。
2日目の16()ウェビナーレポートに続き、今回も17()のレポートをお届けします。

617()は「不動産テックカオスマップ最新版公開」をテーマにパネルディスカッションが行われました。今回も17()のウェビナーをレポートがThe Retech Weekの参加や不動産テック協会のご加入の検討にお役に立てたらと思います。
また、「The Retech Week」のセミナー資料の閲覧は不動産テック協会に加入されている会社様のみとなっておりますので、ITの導入をご検討されている会社様は、この機会に是非ご入会いただけると不動産テックの情報が沢山手に入ります。

〈イベントのお申込みはコチラ〉
https://retech.doorkeeper.jp/events/106917

3日目イベント詳細

第一部は川戸温志氏が登壇し「afterコロナ/withコロナの不動産業界」と題し、アメリカの不動産業界の現状と不動産業界の動向について講演を行いました。
第二部は「不動産テックカオスマップ最新版公開」をテーマに下記の3名が登壇し、パネルディスカッションが行われました。

  • 赤木 正幸氏(リマールエステート株式会社 代表取締役社長)
  • 川戸 温志氏(NTTデータ経営研究所 シニアマネージャー)
  • 浅海 剛氏(株式会社コラビット 代表取締役社長)

 

Pick up

第一部:Afterコロナの不動産業界の動向

新型コロナウイルスよって時代は変わるのか

  • コロナで人々の生活スタイルは根本的に変わらないと考える。スペイン風邪など過去のパンデミックと比較してみて、死亡者数が圧倒的に違う。コロナは収束傾向に向かっている。コロナ対策で止めた経済のインパクトの方がすごい。
  • コロナによって時間短縮がもたらされた。リモートや電子契約などを半強制的に導入せざるを得なかった。
  • 紙から電子へのトレンドが新型コロナによる在宅ワークで加速している
  • 電子契約の「クラウドサイン」は20204月の導入企業が前年同月比3.1倍、契約送信件数も前年同月比2.4倍と大きく増加している。
  • クラウドサインの導入実績から見てもペーパーレス化が進んでいると言える。

アメリカの不動産テックの現在地

  • CoStarは全米における事業用不動産の物件情報、価格情報、オーナー情報、空室状況などのデータベース
  • 海外では事業用不動産のデータビジネスは当たり前のように存在している。
  • 様々な情報の可視化、透明性が担保された世界で取引が行われている。
  • 42Floorsは、事業用不動産の貸し手、借り手のマッチングプラットフォーム。物件情報や賃料相場などのマーケット情報を掲載し、マッチングを促進。
  • 海外では、オフィスビル等の賃貸だけでなく、売買においてもマッチングプラットフォームが多数存在している。

Home×Digital Serviceのトレンド

  • すまい+デジタルサービスが当たり前の時代へシフトしており、異業種のプレイヤーは、すまいをビジネスの場として捉え、業種・業界の壁がなくなってきている。
  • ウォルマートは、Amazonに対抗して積極的にDXを推進している。お客様がECで注文を行い、来店して商品の受け取りかスタッフが自宅に訪問して配達など様々なサービスの展開を始めている。
  • 住む環境だけでなく、働く環境においてもデジタル化が進んでいる。アメリカのスタートアップ企業「Spatial」がVRでもARでも参加可能なVR会議システムの開発を行うなど、オフィス×Digital Serviceの動きもある。
  • リアルを前提としたバリューチェーンではなく、デジタルを前提としたバリューチェーン作りが必要となってくる。

第二部:パネルディスカッション

最新第6版不動産カオスマップの特徴

  • 20198月の第5版は305のサービスだったが、今回20206月の第6版は47のサービスが追加され352のサービスになった。
  • 6版で特に増加したカテゴリーは、「仲介支援サービス」で36から47に増加した。
  • その他増加した主なカテゴリーは「物件情報・メディア」「マッチング」「管理支援業務」。
  • クラウドファンティングのカテゴリーでは、FUEL社の物流施設に特化したクラウドファンティングの「CRE Funding」が追加された。
  • リフォーム・リノベーションのカテゴリーでは、WAKUWAKU社の提案型の建材ECサイト「HAGS BUSINESS」が追加された。
  • 物件情報・メディアのカテゴリーでは、クックパッド社の理想のキッチンから部屋を探せる情報サイト「たのしいキッチン不動産」が追加された。

今回紹介したサービス以外でも多くのサービスが追加されました。不動産テックカオスマップの最新版を見たい方は不動産テック協会のサイトをご覧ください。

最新第6版のカオスマップの感想

  • コストのかかる分野が撤退傾向。
  • 業務支援系が増えている。増えているのは客付けなのか内見なのか気になる。
  • リアルと繋がるサービスが増えてきている。

注目しているカテゴリーとサービス

  • オンライン化や非対面化のサービスがコロナの影響で加速するだろう。
  • スペースシェアは今後も伸びていくだろう。海外の事例で戸建に電気自動車向け充電専用の電気ステーションを作っている。
  • シェアリングは様々なサービスが出てきた。業務支援系の数は増えてきたが、業務支援は良いサービスがあるのにあまり知られていない。

Afterコロナでどうなる?

  • オフィスのニーズはどうなるのか。コロナで対面の重要性を感じている人が多いため、オフィスが必要ないということは考えられない。対面とオンラインを使い分けて行くことが理想
  • 6月に入りお客さんと会う機会は増えているが、今でもオンラインを使う機会もある。オンラインは相手の温度感がわからないため成約率が下がるのではないか。
  • オンラインでどれだけ成約率を上げるか、正解をどこの企業も持っていないので、正解を見つけた企業が勝てる。
  • コロナで価値観が変わる。オフィスに行かなくても仕事ができることに気付き、ライフスタイルに変化が起きるのではないか。
  • コロナ感染拡大前は不動産業界がWeb会議ツールを使用しなかったが、コロナ禍で一気に使うことになった。Webの利用が増えてきている印象。

 

参加者のからの質問

17()のセミナーでも多くの質問が寄せられましたので、質問の一部抜粋して紹介します。

  • 日本のクロージングとアメリカのクロージングの違いとアメリカがうまくいっている理由はなんでしょうか?
  • CoStar(アメリカの不動産テック企業)は泥臭く情報収集しているとのことですが、どのように収益化しているのでしょうか?
  • 個人間売買のマッチングサービスはほとんどないという理解ですが、日本では実現できないでしょうか?
  • 日本で事業用不動産について情報提供しているのは、estie(エスティ)のみですか?

このように参加者から多くの質問が寄せられております。ここでは紹介しきれない数の質問が寄せられており、「Re Tech Week」の質疑応答の時間も盛り上がりを見せております。
質問の回答が気になる方は、ぜひセミナーへご参加ください!

〈イベントお申込みはコチラ〉
https://retech.doorkeeper.jp/events/106917

 

今後のイベントスケジュール

  • 618()海外連携部会コンテンツ
  • 619()日仲協連携コンテンツ
  • 620()日本不動産金融工学学会コンテンツ*
  • 621()不動産業界におけるテレワークのあり方*
  • 622()PropTech japan連携コンテンツ
  • 623()日管協会連携コンテンツ
  • 624()DTA連携コンテンツ
  • 625()不動産金融部会コンテンツ
  • 626()Property Access連携コンテンツ
  • 627()The Retech Week 2020総括パネルディスカッション*

*620()621()627()18時からの開催となります。 

不動産テック協会会員様限定の特典としてRetech Week2020のセミナー動画を後日閲覧することができます。
〈不動産テック協会入会を希望の方はコチラ〉
https://retechjapan.org/

サービシンクは7/2(木)17時〜18時30分に株式会社いい生活様と共同Webセミナーを開催します。「コロナ時代における物件探しから、入居後までのコミュニケーション術」をテーマに、物件探しから入居後までのコミュニケーションツールの活用方法について講演します。

  • サービシンクは不動産特化のチャットアプリ「アトリク
  • いい生活様は入居者と管理会社のコミュニケーションに特化したアプリ
    pocketpost

を紹介します。

〈お申し込みはコチラ〉
https://servithink.doorkeeper.jp/events/107781

 

18()開催の内容

618()は「アメリカの不動産テックの現状」をテーマに19時から開催します。

〈イベントお申込みはコチラ〉
https://retech.doorkeeper.jp/events/106917

⼈気記事ランキング

  1. 【不動産事業者向け】不動産取得税とは?いくらかかるのか?(2019年6月現在)

    【不動産事業者向け】不動産取得税とは?いくらかかるのか?(2019年6月現在)

    2019.08.08

  2. レインズとは? 仕組み、メリット、登録義務などについて解説

    レインズとは? 仕組み、メリット、登録義務などについて解説

    2019.10.17

  3. 登録免許税とは?いくらかかるの?(2019年12月現在)

    登録免許税とは?いくらかかるの?(2019年12月現在)

    2019.12.26

  4. 不動産業者向けツールまとめ12選(クラウド管理ソフトから図面作成ソフトまで)

    不動産業者向けツールまとめ12選(クラウド管理ソフトから図面作成ソフトまで)

    2019.12.05

  5. 【時流解説】ゴーストレストラン、シェアキッチン、クラウドキッチンとは?

    【時流解説】ゴーストレストラン、シェアキッチン、クラウドキッチンとは?

    2019.12.12

  6. 不動産賃貸仲介会社のLINE(ライン)活用のメリットデメリットを解説

    不動産賃貸仲介会社のLINE(ライン)活用のメリットデメリットを解説

    2019.12.05