「不動産テックウィーク2020(The Retech Week2020)」4日目
2020年6月15日(月)から始まった、不動産テックウィーク2020(The Retech Week)も4日目を終えました。18日(木)は「不動産テックカオスマップ」をテーマに、講演とパネルディスカッションが行われました。
第一部のアメリカの不動産テックでは、アメリカの不動産テック市場の状況やスタートアップを紹介しました。
第二部のパネルディスカッションではでは、アメリカでなぜ不動産テックが伸びているのか?日本との違い、また不動産テックに期待していることなどについて講演しました。
3日目の17日(水)のウェビナーレポートに続き、今回も18日(木)のレポートをお届けします。
6月18日(木)は「アメリカの不動産テックの現状」をテーマにパネルディスカッションが行われました。
今回も18日(木)のウェビナーをレポートがThe Retech Weekの参加や不動産テック協会のご加入の検討にお役に立てたらと思います。
また、「The ReTech Week」のセミナー資料の閲覧は不動産テック協会に加入されている会社様のみとなっておりますので、ITの導入をご検討されている会社様は、この機会に是非ご入会いただけると不動産テックの情報が沢山手に入ります。
〈イベントのお申込みはコチラ〉
https://retech.doorkeeper.jp/events/106917
4日目イベント詳細
第一部はアギャ・ベンチャーズ・パートナー 井口信人氏・クナール・ルナワット氏が登壇し、「アメリカの不動産テックの現状」と題し、アメリカにて伸びている不動産テックの現状について講演を行いました。
第二部はアメリカと日本の不動産テックの違いをテーマに下記の6名が登壇し、パネルディスカッションが行われました。
- 赤木 正幸氏(リマールエステート株式会社 代表取締役社長)
- 市川 紘氏(Movoto Holdings Inc. CFO)
- 井口 信人氏(アギャ・ベンチャーズ・パートナー)
- クナール・ルナワット氏(アギャ・ベンチャーズ・パートナー)
- 巻口 成憲氏(リーウェイズ株式会社 代表取締役)
- 岡村 雅信氏(ダイヤモンドメディア 株式会社 代表取締役)
Pick up
第一部:アメリカの不動産テック市場
不動産テックにおけるパラダイムSHIFT
- 不動産業界において変革が起きにくい分野ではあったが、直近5年〜7年のうちにゲームチェンジングが起きている。またそれは日本企業においても好機であると捉えている。実際に起業家が日本企業と資本とパートナーシップを求めるケースが増加している印象。
- アメリカにおいて、オフィス・商業施設の状況は、手間のかからない入退管理、エレベータのテクノロジー、ヘルシー・ビルディング。
- スマートホームの浸透により、オフィスと自宅の両方で働けるような仕組みが広がっている。また新型コロナウイルスの影響によりその動きが加速化している。
- オフィス商業施設だけではなく、身近なホテル・リゾートにおいても、モバイル・コンシェルジュでの受付やロボティクスを活用した清掃業務など自動化が進んでいる。自動化は間違いなく今後も伸びてくる。
- 小売店舗は他業転用・リユース、体験・コト消費、分析(店内にどれだけ人がいるか)が伸びている。
今後伸びてくるスマートシティ開発において重要なこと
- sidewalk labsを中心に世界的に活発な動き、society5.0やスーパーシティ法案で日本でも注目。日本がグローバルにリードする機会
- sidewalk labsはトロントで開発予定だった。期待していた効果として、雇用創出や温室効果ガスの削減、新しいモビリティ(移動方法の75%異常が徒歩、自転車、交通機関による移動)
- 重要事項としてスマートシティ開発は、政府・市民の信頼なくしては進展しない。
- スマートシティを開発する上で市民から得られるデータが重要になってくるが、現状ではデータ使用に関して、監視システムを構築していると考えられがちで、開始から対策が必要である。
- 基本的にはアメリカは非常にオープンではあるが、公開する側にとってどれぐらいベネフィットがあるかが分からないと公開はしない。スマートシティがどういった形になっていくか?市民にとってどういったメリットがあるか?を明確にした上で、密にコミュニケーションを取って住民と共に作り上げていかなければいけない。長期的なゴールに加えて短期的なマイルストーンを提示して明確化するのも良い。
ケーススタディ
- コロナの以前から苦戦している小売店が多かった。従来の小売形態は縮減。
- Amazonはありとあらゆる小売のバリューチェーンを侵食している。実店舗小売が顧客を取り戻すには「再構築」が必要。
- 体験型小売店のパイオニアとしてアメリカのミュージアム・オブ・アイスクリームがある。インスタ映え世代に特化、顧客にライブ感の提供。
- ミュージアム・オブ・アイスクリームの成功の理由は体験はオンラインではできないためである。
- 教訓として、オンラインとオフラインの融合、コトを売りさらに物を売る、インスタ映え、低コストマーケティング
- 体験型小売店の起業家が日本に関心を示している。日本が他国よりコロナの回復可能性ある点、アジアで最も大きな市場の一つである点、日中の緊張の高まりが日本の好感へつながっている
- ゴーストキッチンは次の大きな市場。従来型のレストランは大きな設備投資が必要、コロナで回転率が悪化し多くのレストランが閉店。ソーシャルディスタンスが求められる中で先行きに懸念という理由から。
- 従来型のレストランは世界的に来客数が世界的に80%減少している。
- ゴーストキッチンの特徴は、プラグアンドプレイ、飲食店・起業家シェフのコワーワーキング。フードデリバリー専用にデザイン。設備投資の最小化が挙げられる。
- ターゲットは、サテライト拠点を探している既に確立されたブランド、新規開業を試みるシェフ、レンタルコストを下げたいレストラン。
- ゴーストキッチンは日本でも既に始まっている。トリドールホールディングスは2020年5月に株式会社ゴーストレストラン研究所に出資。実店舗でのテイクアウト、自社ブランドの拡充、冷凍キットの展開を実施予定。
在宅勤務の一般化。次は何が必要か?
- 新型コロナウイルスの影響で、業界問わず在宅勤務が一般化した。正解が分からない中で、コスト削減・柔軟性(フレキシビリティ)が求められている。より多彩な人材の活用。一方で在宅勤務によるデメリットも懸念されており、時間制オフィスの概念が広まっている。
- 都心マンションから郊外の一戸建てのユーザーの興味が、確実に進んでいる。落ち込んでいたWebトラフィックも昨対比を超えるぐらい増えており、ユーザーの動きがようやく出てきた印象。
第二部:パネルディスカッション
アメリカと日本の大きな違い
- データ量の違いが最も大きい。扱えるデータが多くビジネスが生まれやすい。
- アメリカは個人情報に関する認識が甘く、比較的オープンな人が多い。便利になるのであればいいよねと提供する。個人名で検索すると住所も出てくるし、個人のクレジットスコアもオープンになっている。病歴も出てくる。
不動産テックのジャイアント各社の動向
- 新型コロナウイルスによる大幅な自社社員のレイオフが3月に行われた。
- OpenDoorが35%(自社社員)、compass15%(自社社員)、Redfin45%(エージェント)ただし、元々人材余剰は各社で課題になっており新型コロナウイルスの影響を理由にしてレイオフされた実態もある。大手中小問わず、他社も3月にレイオフが相次いだ。
アメリカのソフトウェア開発速度は何故はやいのか?
- ソフトウェアの機能により時間は勿論かかるが、アジャイル開発だと2週間〜3週間で開発からリリースまで終わるサービスもある。完璧な状態で出すことよりもリリースすることに重きを置いている。スピード感重視。
なぜアメリカのテクノロジーが進んでいるのか?
- ベンチャー・スタートアップのエグジット先が山程あり、名もないベンチャー・スタートアップでも資金が集まりやすく、スキルを持った人材の採用、開発費用の確保が出来ることでイノベーションが起きる。スタートアップのエコシステムが出来上がっている。比べて日本はエグジット先が少ない。
- ただし新型コロナウイルスの影響は受けていて、proptechへの投資額は半分になった。日本のデベロッパーはアメリカほど影響を受けている印象はない。
日本のスタートアップでベンチマークしている事業会社などあるか?
参加者からの質問
18日(木)のセミナーでも多くの質問が寄せられましたので、質問の一部抜粋して紹介します。
- アメリカのソフトウェア開発速度は随分速いと聞いています。ある機能を、作るぞ、なってから、どの程度のスパンで実際にリリースされているのでしょうか。
- スマートシティの開発にあたり、データの使用にかかる個人情報保護の論点があると思いますが、欧米の整理はどのようになっていますか?
- アメリカがものすごく進んでいるように感じます。日本でもアメリカのように最新のテクノロジーが不動産業界に浸透していくには何が必要なのでしょうか?
- 日本では、データセンター投資がここにきて注目度が高まってますが、これだけデータの話があるなかで、アメリカではエッジセンター含めそのセクターは充足しているのでしょうか。
このように参加者から多くの質問が寄せられております。ここでは紹介しきれない数の質問が寄せられており、「The Retech Week」の質疑応答の時間も盛り上がりを見せております。質問の回答が気になる方は、ぜひセミナーへご参加ください!
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今後のイベントスケジュール
- 6月19日(金)日仲協連携コンテンツ
- 6月20日(土)日本不動産金融工学学会コンテンツ*
- 6月21日(日)不動産業界におけるテレワークのあり方*
- 6月22日(月)PropTech japan連携コンテンツ
- 6月23日(火)日管協会連携コンテンツ
- 6月24日(水)DTA連携コンテンツ
- 6月25日(木)不動産金融部会コンテンツ
- 6月26日(金)Property Access連携コンテンツ
- 6月27日(土)The Retech Week 2020総括パネルディスカッション
※6月20日(土)、6月21(日)、6月27日(土)は18時からの開催となります。
不動産テック協会会員様限定の特典としてRetech Week2020のセミナー動画を後日閲覧することができます。
〈不動産テック協会入会を希望の方はコチラ〉
https://retechjapan.org/
サービシンクは7/2(木)17時〜18時30分に株式会社いい生活様と共同Webセミナーを開催します。「コロナ時代における物件探しから、入居後までのコミュニケーション術」をテーマに、物件探しから入居後までのコミュニケーションツールの活用方法について講演します。
- サービシンクは不動産特化のチャットアプリ「アトリク」
- いい生活様は入居者と管理会社のコミュニケーションに特化したアプリ
「pocketpost」
を紹介します。
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https://servithink.doorkeeper.jp/events/107781
19日(金)開催の内容
6月19日(金)は「アフターコロナの賃貸仲介とDX」をテーマに19時から開催します。
〈イベントお申込みはコチラ〉
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